今回は2024年にNetflixで配信が始まった『アスンタ・バステラ事件』を紹介します。
これはスペインで実際に起きた事件を基に制作されたミニシリーズです。
あらすじ
2013年8月スペインに住む2人が、娘アスンタが帰ってこないと警察に相談にやってきた。

両親の祈りもむなしく、アスンタは遺体で発見。
2人は悲しみに暮れるが、警察の捜査により、1番最初に容疑者にあがったのは、母ロザリオであった。

キャスト
ロザリオ/カンデラ・ペニャ(Candela Peña)

アスンタの母で容疑者。弁護士。裕福な家庭育ち。
アルフォンソ/Tristán Ulloa

ロザリオの夫、ジャーナリスト
アスンタ
中国の子だが、1歳の時に養子としてスペインに渡った。学校の成績が良く語学にも堪能だった。
ルイス判事/Javier Gutiérrez

アスンタ事件を担当。当初よりロザリオ・アルフォンソを疑っていた。
ルイス判事は実在しませんが、モデルになった判事はいます。
本作について「1話だけ観たけどもう観ない」「不倫や精神病などに焦点を当てるのでなく、もっと普通の夫婦がどうして殺人を犯したのかを描いてほしかった」と話していました。
クリスティーナ刑事/マリア・レオン(María León)

クリスティーナ刑事は、架空の人物です。
彼女を演じするマリア・レオンは、『ハウス・オブ・フラワーズ』で精神疾患のある狂気じみたプリフィカシオンを演じていました。

実際に起きた事件
2013年にスペインのガルシア北部で起きた本当の話です。
関わった刑事や判事はフィクションが織り交ざっていますが、ロザリオ・アルフォンソの経歴や裁判の経緯などは、事実に基づいています。
裁判では、母ロザリオの、精神疾患、愛人の存在など多くの問題が明るみに出ましただけでなく、父アルフォンソにも児童虐待の容疑が出て、誰か真犯人なのか情報は錯そうしました。
裁判の結果、ロザリオがアスンタを窒息させたと認めたうえで、ロザリオ・アルフォンソの両方に懲役18年が下されました。
この事件はスペイン本土に衝撃を与え、マスコミによる違法捜査やセンセーショナルな報道がなされたため、報道の在り方について問題提起がされるきっかけにもなりました。
その後
母ロザリオは、元々精神的に不安定だったこともあり、2度の自殺未遂の末、2020年に獄中で首を吊り自殺しました。
弁護士は、コロナにより面会が制限され、精神的に追い詰められたのではないかと語っています。
彼女が持つ不動産などの財産は全て頻繁に面会に来た友人に相続し、元夫アルフォンソには何も残していません。
ロザリオと同じ刑務所内で過ごした受刑者はインタビューで「彼女は犯人じゃない」と確信を持っており、刑務所内ではほかの人のために弁護士代を肩代わりしたなどのエピソードを語っています。
アルフォンソは、2031年に刑期を終える予定です。
本作の映像化にあたり、アルフォンソは制作陣に手紙を書きました。
その中では、改めて自身の無実を訴え、出所後は静かに暮らすつもりだと打ち明けました。
また「私の本当の刑は、刑務所にいることではなく、娘がもっとも私を必要としたときに彼女を助けられなかったことです」と語っています。
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